売上が伸びない。
どうすれば売上が伸びるのかな?
売上が伸びない、しかし何をすればいいのかも分からない。何かいい手立てを知りたい。
商品、サービスを置いておくだけでは、売上は上がらない。
ましてや、“すぐに”というのは無理な話だ。
ここで今回は、“すぐに”売上を上げる方法を具体的に紹介しよう。
この記事を書いた私は、一人で店舗ビジネスを始めて、直営店2店舗、従業員数10名まで拡大して、M&Aでバイアウトした経験がある。
店舗ビジネスであれば、紹介する方法はぴったり当てはまるはずだ。
即効で売上を上げるには値上げ一択

まずは値上げすることが一番早い売上を上げる方法。
客数を増やさなくても、単価が上がるので、売上は上がるから。
値上げして売上が上がる仕組みは以下の通り。
通常売り上げは、【客数×客単価×リピート】で構成される。
この中で、一番数字を上げるのが難しいのが、【客数】だ。
100円の物を99人に売り続けるよりも、1万円の物を1人に販売するほうが、売上は後者の方が大きいし、簡単。
極端ではあるが、これが客単価を上げた時の効果。
しかも、値段を上げるのは、無料ですぐに出来る。
一方、客数を増やすのは、広告費など経費も追加しなければいけない。
そしてその広告が効果的でなければ、客数も伸びない。
値上げしたら客数が減って売上も下がるのでは?
むしろ、客数が伸びる傾向がある。
なぜなら、良いものであると認識されて、安さよりも、品質の方に惹かれる人がより多く購入するようになるから。
私が経営したパーソナルジムの値上の例
開業した当初は、月額通い放題7300円だった。
その後、月額通い放題8500円にして会員数は50名ほど。
そして、週2回月額1500円にして一気に110名になり、その後さらに19800円にすると300名近くまで増えた。
ちなみに、広告費は7300円時代からほとんど変わっていない。
世の中には、【安いもの】は多く売られている。
それを求める人も確かに多い。
しかし、価格は二の次で、とにかく良いものを求めている人も確実に存在する。
しかも、多くのお店は、その層の人たちの存在を知らないために、安売りをしてしまう。
だから、その層の人たちを総どりできた。
すべてが、そう上手くいかないのでは?
仮に、客数が減っても売り上げは上がる。
値上げしたパーセンテージよりも、離反客が少なくなれば売り上げは上がる。
例えば、100円のリンゴ。
100円で100人に販売すると、売上は10,000円。
そこで、20円値上げして10人の顧客が離反したとする。
120円×90人=10800円 となる。
客数が減っても、なお売上は上がっている。
しかも、ここには表れないいい効果もある。
それは、経費削減ができる。
値上げして客数が減ると経費削減?
仮に値上げで客が離反しても売上はむしろ上がることが分かったが、もっといいことがある。
それは、経費が削減でき、利益が増大する。
数がはけない分、売上原価が下がるから。
またまた、100円のリンゴの例。
1個100円で、更に10個販売するのに1人の従業員(給料10円)が必要とする場合。
100円×100個ー10人分の人件費(100円)=9900円
一方、値上げ後は。
120円×90個ー9人分の人件費(90円)=10710円
このように、仮に値上げによって客足が減っても、売上は上がるし、しかも個数が減るということはその分の人件費も減ることになる。
100円のリンゴと120円のリンゴ、あなたならどちらを販売したいだろうか?
ここでいいことを2つお伝えしよう。
もし、それでもまだ値上げに踏み出せない、客数が気になるのであれば、以下の著書を読んでほしい。
詳細な値上げの手順まで紹介されている。
電子書籍版
書籍版
もう一つ。
【値上げした企業で倒産した事案はない】
ということ。
絶対にやってはいけない値下げ・安売り

値下げ、安売りが破滅への第一歩になる。
単純に、利益率が低くなることと、常に【数】を裁き続けないといけないから。
しかも、経費も増大する。
安くした分というのは、客数やリピートで補うことになる。
また、販売個数が増えるので、それに対して人件費もそれに比例して増加する。
またまた、また100円のリンゴの話。
リンゴ1個100円で10個販売するのに従業員1人を要する(給料は10円)場合。
100円×100個-10人の人件費(100円)=9900円
これを値下げした場合。
80円×120個ー12人の人件費(120円)=9480円
ちなみに50円値上げした場合。
150円×70個-7人の人件費(70円)=10430円
値下げして、労働量も増えた上に薄利であるビジネスを行いたいだろうか?
効率が悪いことは理解したが、破滅とまでは…
値下げ=利益率を下げる行為はかなりリスクがある。
天候など何らかの理由で販売不振になった時一気に赤字に転落するから。
毎日100円の物を仕入れて販売する例
105円で販売して、10日のうち1日だけ売れなかった場合。
日数 | 売上 | 仕入れ | 損益 |
1日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
2日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
3日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
4日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
5日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
6日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
7日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
8日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
9日目 | 105円 | 100円 | 5円 |
10日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
合計 | 945円 | 1000円 | -55円 |
9日間確実に販売して、利益を積みかさねたのにも関わらず、たった1日販売できなかっただけで、これまで積み重ねたものが全てなくなってしまう。
最終は赤字で赤字額は55円。
一方、高利益率にした場合。
毎日の仕入れ100円は変わらないが、販売価格を400円にした場合。
日数 | 売上 | 仕入れ | 損益 |
1日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
2日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
3日目 | 400円 | 100円 | 300円 |
4日目 | 400円 | 100円 | 300円 |
5日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
6日目 | 400円 | 100円 | 300円 |
7日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
8日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
9日目 | 400円 | 100円 | 300円 |
10日目 | 0円 | 100円 | -100円 |
合計 | 1600円 | 1000円 | +600円 |
こちらの場合、販売できたのは10日間の間でたった4日間だけだ、労働量は明らかにこちらの方が少ない。
売れた日よりも、売れなかった日の方が多い。
にも関わらず、最終利益は黒字で且つ600円もある。
ちなみに、ここから200円の広告を打って更に1日売れる日を作ると+100円の利益が作られる。
これが、安売り、値下げで利益率を下げた時に想定される、リスクだ。
これで、ビジネスは【働いた量】で決まるわけではないことがお分かりだろう。
いかに利益率が高い商品を販売するかなのだ。
安く販売すると、安いと評判になるからいいのでは?
安い客しか来なくなる。
客が来店もしくは購入する動機が安いしかなくなるから。
品質は一切評価されなくなる。
エステの某ビューティークーポンサイトの例
エステサロンは基本、単価が高い上にリピート商売だ。
だから、本来顧客はアッパー層と呼ばれる、いわゆる金持ち相手のビジネス。
だから、一人顧客を抱えると、その後大きく売上に貢献してくれる。
そのために、どうにかして顧客を抱え込みたい。
なんなら、はじめは赤字でもいいからアッパー層を獲得したいのだ。
そこで登場したのが、某ビューティークーポンサイト。
そこには、多くの店舗が【初回限定クーポン】が掲載されている。
本来は、アッパー層のためのサロンであり、新規アッパー層獲得のためのクーポンだ。
ただ、そこに乗じてミドル~ダウン層が“安いから”を理由にSNSでは【初回巡り】なるものが流行っている。
しかも、契約せずに、どれだけの数の店舗の【初回限定クーポン】を巡ったか自慢の対決になっている。
クーポン巡りをして、その後一切顧客になることはない。
サロンからしたらたまったもんじゃない。
初回は大抵赤字で施術しているから、【初回巡り】の対象になれば、施術の度に赤字になる。
“安い”客につかまってしまったらこのように地獄を見る。
“安い”客が来店、購入する理由は、あなたのサービス、商品が評価されているわけではない。
安さのみが評価されているだけで、“安い”客からすれば、正直安ければどこでもいいのだ。
だから【巡る】のだ。
そこまでして、“安い”客が欲しいだろうか?
そして、あなたの商品、サービスはそんなに“安い”のだろうか。
すぐに売上を上げるために新商品、新サービス投入はギャンブル

特に、すぐに売上を上げたいという場合は、おすすめしない。
なぜなら、一度も売ったことがないものが、売れるか否かは正直販売してみなければわからない。
それよりは、これまで販売していたものを値上げするほうが安全。
ちなみに中~長期にかけて売上形成していきたい場合は、これに限らないが。
すぐに売上アップが欲しい飲食店の例
何か施策して新たに売上をすぐに作りたい。
だから、レジ横でサプリメントを販売してみる。
たしかに、売れたら売上は上がるが、たかが利益は知れている。
それよりも、店で一番人気のメニューの大盛やトッピング増しの豪華版を販売して、実質値上げをしたほうがうまくいく確率が高い。
なぜなら、これまでのファンからすれば、知らないサプリを紹介されるよりも、これまで愛顧していた商品の豪華版の方が気になる。
だから、すぐに売上を作りたいのであれば、これまでの人気筋商品を使わない手はない。
それでも新商品を導入したい方への注意点
仕入れ方に注意。
もしくはサービス業であれば、新サービスの広告費用のかけ方に注意売上どころか、不良在庫を抱えることになりかねないから。
また、広告費用も無駄になる。
なぜなら、これまで販売した実績、データがないからだ。
こうなれば、新商品・新サービスによって赤字になる。
正しい新商品・新サービスの導入の仕方
大抵の物販は、最低ロットがあったり、サービス業であれば新サービスの広告を打つ必要がある。
かといって、はじめからこの最低ロットや新サービス広告に費用をかけてはいけない。
まずは、本当に売れる商品・サービスなのか“テスト”が必要になる。
売れないものを仕入れたり、売れないサービスの広告をかけたくないというのは共通の認識だと思う。
だから、まずはテストしてみるのだ。
例えば、卸価格1個100円で最低ロットが1000個、販売価格が200円だった場合
これをこのまま最低ロットで初めから仕入れてはいけない。
正しくは、まずは他店で販売価格200円で5つ購入してみる。
その後、自分の店でまずは、250円で販売する。
これで売れたら、更に200円で10個購入して250円で販売する。
そこで気を付けるべきは、5個もしくは10個売れるのにどのくらいの期間が必要なのか?
また、いくらで売れるのか?
250円でガンガン売れるのであれば、最低ロットで仕入れて、200円ではなく、250円で販売してもいい。
仮に売れなくても他店と同調して200円で販売して売れるのか、売れないのか?
これで売れないのであれば、最低ロットの1000個仕入れたら大変なことになる。
だから、はじめから最低ロットで仕入れて利益を上げようとするのではなく、はじめは赤字でもいいから、とにかく自分の店で売れるか否かを5~10個で試してみるといい。
これが、新サービスの場合
いきなり広告費をかけてはいけない。
まずは、今の顧客に向けて紹介してみる。
今のファンから見向きもされない、反応されないサービスは、ファンでも何でもない、もっと言うとあなたの事すら知らない人はまず購入しない。
これをどんなに宣伝しても。
仮に、今のファンに響くようであれば、そこからスタートだ。
売上、利益を立てるまでに時間がかからないか?
だから、おすすめしない。
新商品・新サービスによる売上、利益を確保するというのは本来このような手続きを踏まなければギャンブルになってしまう。
だからこそ、中~長期向けの方法であり、すぐに売上を上げたいというのには向かない。
これで失敗した多くのパーソナルジム2020年編
2020年ジムにみんな行くことを控えて、オンラインに乗り換えようとしたが失敗した。
これまで販売したことのないサービスをしかも、ITが苦手な人が多い業界で付け焼刃で開始して、多くの無駄な時間を費やしたから。
2020年のような、みんなが出控えるような状況で、そもそも売上は立たない業種だ。
しかも、パソコン操作が特に苦手な人が多いのに。
本来、この事態でパーソナルジムがすべきことは、
- 経費特に固定費削減
- 客足が戻った時にために現人気コース・商品の豪華版をリリースする準備
- 情報発信、既存顧客にDMなど
これらを優先するべきだったのだ。
しかし、何とか売上を作るべく、素人オンラインフィットネスを乱立させ、挙句の果てには、これまで運営してきたプロのオンラインフィットネス専門業者に駆逐されていった。
そして多くの無駄な時間が流れていき、本来行えばよかった上記の事をせずにいたので、客足が本来戻るはずなのに忘れ去られてしまったのだ。
ただ、良かったのは仕入れなど先行費用がかからないものだったの事だろう。
お金は出ていくことがなかったが、既存顧客とのコミュニケーションを忘れたために、顧客に忘れられ本来立つはずだった売上が立っていないので、結局、時間もお金も失っていることになるが。
すぐに売上が欲しいといった場合、新商品・新サービスで売上・利益を立てるのは困難なのだ。
すぐに売上を上げる方法まとめ
- すぐに売上を上げるには値上げ一択
- 値上げの方法の詳細は石原明著 「絶対に儲かる値上げのしくみ、教えます」を参考に
- 値上げをして倒産した事例はない
- 安売り・値下げは破滅への第一歩
- 安売り巡りをされて固定客なしという状態になる
- 新商品・新サービスで即売上はおすすめしない
- 2020年のパーソナルジムのようになるな
コメント