理学療法士として転職したいが失敗したくない。
転職で失敗しないために転職の失敗談を聞いておきたい。
転職したい気持ちはあるが中々一歩が踏み出せない。どうにか転職を成功させてうまく理学療法士としてキャリアを積んでいきたい。
理学療法士の業界は、日本全体の産業構造からすると、あまり大きな業界ではない。
そのためか、理学療法士に関する情報はネット上には少ないのが現状だ。
特に転職に関しては。
しかも、転職で失敗している理学療法士は多いという。
そこで、転職に失敗した理学療法士の失敗談も交えて、転職で失敗しない方法を解説していこう。
この記事を書いた私は、2009年に理学療法士免許を取得し2015年に独立した。
これまで多くの理学療法士の転職、独立などのキャリアアップを見てきた経験がある。
また、雇われた経験も、雇う側も経験したので、ぜひ参考になるのでないだろうか。
理学療法士で転職に失敗する人あるある

理学療法士として転職して失敗する人には決まった特徴がある。
転職で失敗することは、理学療法士に限らず、その人の能力でなく、転職に対する認識の違いに共通点がある。
理学療法士の転職で失敗する人あるあるの例
- ただ何となく職場を変えたい、というだけで転職をしてしまう
- 今の職場で昇進できないという不満から転職を考えてしまう
- 今の上司または部下が気に入らない、というのが主な転職理由の人
- これまでとあまり環境が変わらない、ほぼ分野の同じ職場に転職してしまう
- ハローワーク、知人の紹介だけの情報で転職してしまう
私は理学療法士免許を取得して2020年で12年目になる。
これまで多くの理学療法士の転職の現実を見てきたが、上記の5つに当てはまる人で転職して良かったという人は、ただの1人も見てきたことがない。
そして、なぜこれに当てはまる理学療法士が転職に失敗するのかという事と一緒に、どうすれば転職で上手くいくのかということを解説していこう。
ただ何となく職場を変えたい、というだけで転職をしてしまう人が失敗する理由
計画性がない転職は失敗の原因になる。
なぜなら、次の職場が自分に合うのかどうか、今の職場でなくて本当にいいのか吟味しない傾向がある人が転職の際、ただ何となくと口にするから。
ただ、職場を変えたいだけで転職失敗する理学療法士の例
- そもそも転職先がないかもしれない
- 次の転職先の空気が合わず、前の方がよかったと思う
- リハに対する考え方が全く違う
この理由で今の職場を退職して、転職した理学療法士は上記のようなことを口をそろえていっていた。
今の職場で昇進できないという不満から転職を考えてしまう人が失敗する理由
昇進のシステムは病院や施設で違うので転職したから昇進できるわけではない。
また、転職して仮に昇進したからといって必ずしも今より良くなるわけではない。
昇進システムは、年功序列や出身校派閥、成果主義など様々ある。
次に転職する職場の昇進システムの内情などほぼ外部に正確な情報は出ない。
また、昇進してもいわゆる“名ばかり管理職”になる可能性もある
昇進システムがわからない事と名ばかり管理職がヤバい理由
表向きは経験や、実績で昇進できるような話でも実は、出身校贔屓があるなど、このような例がある病院は枚挙にいとまがない。
そもそも昇進は、他人が決めることなので、自分ではコントロールできることではない。
転職→昇進の図式は理学療法士自身の希望的観測でしかない。
また、転職、昇進しても決裁権は、ほとんどなく実質名ばかりの管理職で良いようにこき使われる可能性も十分にある。
だから、昇進できないことが必ずしも悪いことでもないし、昇進することが必ずしもいいことではない。
しかも、昇進というのは他人の勝手な評価で決まるので、転職して好き嫌いで決められたらたまったものではない。
今の上司または部下が気に入らない、というのが主な転職理由の人が失敗する理由
どこに転職しようと気に食わない人はいると思ったほうがいい。
今の気に食わない人をスルー出来ないから、どこに転職しても結局は同じ。
次の職場でも同じ悩みを抱えることになる。
また、あなたの次に気に食わない人が転職してこないとも限らない。
だから、この理由で転職する人は失敗し続ける。
医療職はくせ者が多い業界
多分これはほとんどの理学療法士が気付いていると思う。
私は、理学療法の業界にどっぷりつかっていたこともあるし、会社を持って医療業界から完全に離れたことがある。
どちらの世界を見てきた結果、やっぱり医療業界はくせ者率が高め。
だから、基本的には、理学療法士としてどこで働いていても、気に食わない人には必ず出会うものと諦めてスルー出来る能力を身に付けたほうが良い。
この方が転職するエネルギーやストレスと比べると、格段に容易だ。
実際、私も長期実習中に酔っぱらったケースバイザーにぶん殴られて、次の日からそのケースバイザーが消息不明になったこともある。
基本医療業界は隠蔽体質があるので、このようなことは他業界ほど話は広がらないが、私の経験からすると、理学療法士の業界は意外とこのようなことはざらにある。
この度に転職していたら身が持たない。
これまでとあまり環境が変わらない、ほぼ分野の同じ職場に転職してしまう
転職の意味がなく、気分転換でしかないので失敗も成功もない。
理学療法士という事以前に、これまでと同じような環境に転職するということは、社会人として新たな見識、知識、スキルを手に入れる機会をみすみす見逃していることになる。
このような理学療法士が同じことを言う
- 転職しても何も変わらなかった
- 良くも悪くもない
一見すると転職失敗のように見えないが、成長する機会を逃しているので、実害のない失敗というところだろうか。
せっかくエネルギーを費やして転職するので、良くも悪くも何かしらの変化があったほうが、人として成長できるのではないかと思うが。
ハローワーク、知人の紹介だけの情報で転職してしまう人が失敗する理由
限られた情報しか集まらない中で、同じような情報の中から決めてしまうから。
実は2020年の今、理学療法士の転職市場は拡大し続けている。
しかし、多くの転職を考えている理学療法士は、すでにいい転職は難しい、飽和していると勘違いしている。
それは、知人からの情報、誰もが見ているハローワークでの情報だけで転職市場を勝負しているからだ。
理学療法士、作業療法士専門の転職サイトが、しかも無料で多く開設されている。
このような転職情報はまだまだ、メジャーではなくかなり倍率が低い。
しかも、ハローワークと違って、求人を出す側が求人広告料を支払っているので、求人意欲が高くまた、お金がかかっているのですぐに退職されないように高待遇で迎えてくれる。
知人からの情報、ハローワークに加え、常日頃からこのようなPT,OT専門転職サイトにアンテナを張っておくと選択肢が広がるので、より良い転職ができる。
PT,OT専門転職サイトについては、過去記事で説明しているのでぜひ参考にしてほしい。
PT、OT専門転職サイト関連記事
転職で失敗した理学療法士の体験談

ここでは私の周りにいる理学療法士で、転職に失敗した実体験をご紹介する。
全て実際に転職活動をした理学療法士の実話なので参考になるはずだ。
転職で失敗した理学療法士の体験談
ここでは3人の転職で失敗した理学療法士の実体験を紹介する。
ケース1:男性理学療法士、2年目で転職
知り合いの理学療法士に誘われて、転職を決意。
これまで急性期のリハがメインで、転職先も急性期ということ。
しかも「若くて優秀なPT」が欲しいといわれ舞い上がってしまい、すぐに決断してしまった。
しかし、実際には急性期ではあったものの、全然興味のない呼吸器リハメインで、正直通勤することが億劫になり1年持たず退職。
3年で3回就活する羽目になった。
→このケースは、そもそも社会人として甘かったのかなと思う。
ケース2:男性理学療法士、7年目で転職
理学療法士としてもっと視野を広げたいと思い、新卒以来勤務していた介護事業所を退職。
その後、転職活動を始めるも、知人から紹介はゼロ。
そして、ハローワークに行ってみると、多くの求人がある。
しかし、求人のほとんどがこれまで勤務してきた、介護分野ばかりで結局また同じ分野で勤務することになった。
これなら正直、転職しなくてよかったと思う。
→確かに時期によって求人の数や種類の差はある。
ただ、このケースの場合同じ情報が集まりやすい、ハローワークでしか情報収集がなされていない。
情報収集能力はリハの現場だけでなく、転職でも重要だ。
そもそも、退職前から転職情報を得ておきたい。
ケース3:女性理学療法士、5年目で転職
小規模の内科の病院の為、私が入職して以来、求人は出されず5年目になった今でも、一番下っぱ扱いされるのが嫌だった。
それよりも、5年目は5年目らしく扱いをしてくれるところを求めて、ハローワークで大規模の病院を探した。
自分の住んでいる地域から2か所大規模の病院の求人があり、転職した。
ただ、前のように下っ端扱いはないものの、給与が2割以上低くなったので、あまり気にしていなかったが、少し経済的にはキツイ。
→なぜ、下っ端扱いを大規模病院に行けばされない、と思ったのかは不明。
嫌な扱いを受けたらスルーすればいいこと。
そして、給与は大事。
次は給与で下っ端扱いされる羽目になる。
給与交渉を自分でするなり、転職サイトに交渉してもらうなりしたほうが良い。
理学療法士としてキャリアアップするには

単純だが、今の職場でしっかりコツコツ働くか、いい転職をするかに限る。
理理学療法士の転職=キャリアアップ ではない。
むしろ、理学療法士は転職が苦手な人が多い。
だから、今の職場でコツコツ働くのも地味ではあるが、実はいいキャリアアップの一つだと思う。
もしくは、上手にいい転職をして新たな見識、スキルを磨くとこれもまたキャリアアップといえる。
しかし、実情はやはり理学療法の場合、転職を試みる方が主流だろう。
個人的には、20年同じところで働くのも、20年同じところで働いたことがある人しか得られないキャリアがある。
だから、必ずしも全員がどんどん転職したほうが良いとは思っていない。
また、現状は知り合いのツテやハローワークだけで転職先の奪い合いをしていることが事実としてあるので更にそう思う。
だから、理学療法士が転職で失敗しないために、思い付きで転職するのではなく、しっかり情報収集して、奪い合いの転職活動にならないようにしてほしいものだ。
理学療法士転職関連記事
コメント