筋肉痛の時にプロテイン飲めば早く治るかな?
そもそも、筋肉痛の時のプロテインってどんな効果があるの?
筋肉痛がつらい。どうにか早く治る方法はないかな?
筋肉痛の時に、筋肉の材料になるプロテインを飲めば早く修復するのでは?と思われる方も多いのではないだろうか?
今回は、筋肉痛とプロテインの関係性について解説する。
この記事を書いた私は、元・理学療法士でパーソナルジムを2店舗経営してきた。その中で2000名以上のクライアントをサポートしてきた経験がある。
パーソナルトレーナー、理学療法士それぞれの目線を加えてお伝えする。
筋肉痛の時にプロテインを飲んでも早く治るわけではない

筋肉痛が治ることと、プロテインは関係ない。
筋肉痛はあくまで炎症なので、タンパク質源であるプロテインにはその炎症を抑える役割はないから。
そもそも筋肉痛とは?
はっきりとしたメカニズムは分かっていないが、筋肉を包む筋膜の痛みだと考えられている。
なぜなら、筋肉自体に痛みを感じるセンサーはなく、痛みを感じるセンサーがあるのは筋膜だから。
痛みを人が認知するには、自由神経終末という受容器、いわゆる痛みセンサーがなければ痛みは感じない。
これは、筋肉の繊維には存在せず、筋膜には豊富に存在するため筋肉痛は筋膜の痛みなのではないかと考えられている。
また、筋肉痛が発生しているときは、血中に炎症物質が発生することから、筋膜の炎症だと考えられている。
だから、タンパク質であり筋肉の材料になるプロテインと筋膜の炎症の治癒には何ら関係ない。
でも、だんだん筋肉痛を感じなくなる気がするが?
それは、プロテインの効果でなく、炎症の鎮静化によるもの。
筋肉痛は、急性炎症なので、プロテインの摂取の有無に関係なく鎮静化する。
通常であれば、筋肉痛発生後、48時間~遅くとも96時間で収まる。
これは、炎症で発生した炎症物質を血流を過度によくして排除することができるから。
だから、筋肉痛の時は熱を帯びた感じがするのだ。
筋肉痛のときのプロテインの効果は?

やはり、筋肉の成長。
特に、筋肉のダメージが大きいほど、その効果は大きい。
人は、筋肉に限らずダメージを受けた組織はすぐに修復しようとする。
特に、炎症が起きている時というのは、血液が活発に流れている。
摂取したタンパク質はアミノ酸になり血流にのって各組織に運ばれていく。
血液が活発に流れているということは、その分栄養素も行き届きやすいという事。
だから、筋トレ後~96時間は特に多めのタンパク質摂取が勧められている。
筋肉痛が酷いほどその効果も大きい?
筋肉痛の痛みの程度と、タンパク質合成の程度は関係ない。
痛みはあくまで主観なので、痛みを強く感じやすい人ほど筋肉が成長しやすいということではない。
正確に言えば、筋肉の成長は、痛みをどう感じようと、ダメージの程度に比例していく。
痛みという感覚は、人それぞれ感じ方も違えば、体の部位によっても異なる。
同じ筋トレでダメージを受けても、翌日痛いと感じる人もいれば、そうでない人もいる。
要は感受性の違い。
だから、痛い=ダメージが大きい、ではない。
そして、体の背面にある部位は筋肉痛を強く感じやすい傾向にあるが、肩や上腕二頭筋は痛みの感受性は低い傾向にある。
ただ、痛みを感じていないから、筋肉はダメージを受けていないかというとそうでもないし、ものすごく痛いからといって大きなダメージを受けているとも限らない。
筋肉痛の痛みの程度では筋肉のダメージの程度は計れない。
このことから、筋肉痛の程度と、それによって摂取されたプロテインが筋肉へと合成される程度は関係ないということがお分かりになったと思う。
筋肉痛の痛みをどう考えるか
筋肉痛の痛みの程度と筋肉の合成の程度は関係はないが、確実に言えることは痛みが発生しているということは、そこには程度の大小は問わず必ずダメージは存在している。
痛みというのは、人にとってダメージを受けたサインであり修復を擁していることは確か。
だから、筋肉痛を感じていなくてもダメージを受けている可能性は十分考えられるが、筋肉痛があるということはそこには必ず損傷がある。
筋肉痛は分かりやすい筋肉からのサインだ。
筋肉の合成の程度は問わず必ずプロテインを摂取したほうが良い。
プロテインは何でもいい?
筋肉痛を問わず、やはりホエイプロテインが良い。
後は、味と価格次第。
なので、筋肉痛があるから、どのプロテインが良いということはない。
むしろ量を豊富に摂取することが大事。
だから、飲みやすく、かつ購入しやすい価格のもが良い。
プロテインに関しては下記の記事にまとめているので、ぜひ参考にしてほしい。
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筋肉痛を早く治すには?

安静が一番の近道。
筋肉痛は急性炎症なので、通常は沈静化する。
そこには、炎症物質を除去が必要なので時間が必要になる。
筋肉痛の時にやってはいけないこと
それは、患部を動かすことやマッサージ。
筋肉痛は炎症で血液が通常よりも多く流れている状態。
そこに追い打ちをかけるように、更に血流を促すことを行うと尚更炎症が酷くなるから。
具筋肉痛の時はその部位の筋トレは避けること。
また、もんだりさすったりすることもしない。
早く治ってほしいなら、やはりほっとくのが一番早い。
たくさん血流を促せば早く炎症物質が流れるのでは?
わざわざそうしなくても、大丈夫。
炎症の鎮静化のメカニズムは人の体では自動的に調整されているので、炎症物質を流すために血液量は最適化されている。
だから、わざわざ血流量を増やすようなことをしなくても、効率的に流れるようにうまく人体はシステム化されている。
むしろ、早く治るより、炎症が酷くなって治癒が遅くなる可能性さえある。
だから、筋肉痛の時はしっかり安静にして、十分なタンパク質摂取をすることが一番いい。
筋肉は、筋トレの時でなく、修復されているときに作られるものだから。
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