ジムを開業したいけど、実際ジムを開業した人の話が聞きたい。
ジムの開業ってどうすればいいのかな?
これから伸びるといわれている健康産業の分野で起業したい。どうすればうまくいくのか知りたい。
ただ、ジムを開業したリアルな体験談というのは中々聞くことができないだろう。
私がジムを開業した2015年頃は尚更そうだった。
ここで、今回はジムをこれから開業したい人向けに、辛口で解説する。
この記事を書いた私は、2015年にパーソナルジムを一人で開業して、直営店2店舗、FC1店舗従業員10名まで事業拡大した。その後、2020年に会社売却で直営店2店舗売却まで至った経験がある。
ジムの開業はこれから基本無理ゲー

これからジムを開業してうまく稼ぐのは基本的には難しい。
ジムといっても特にパーソナルジムは。
なぜなら、パーソナルジムは簡単に開業できるから。
例えば、病院、美容室など自分で開くには、各国家資格を持っていなければ開業できない。
しかし、ジムを開業するには何も資格はいらない。
だから、誰もがパーソナルトレーナーを名乗れるし、誰でも開業することができる。
特に、マンションの1室もしくはそれに近い広さのジムであれば開業費用はどんなにかかっても1000万円以下で開業できる。
私の知り合いでは、200万円で開業した。
このくらいジムの開業はハードルが低いので簡単に誰でも参入してくるから。
前はジムを開業してもうまくいった?
私が開業した2015年より後の2017年頃であれば誰が開業してもうまくいった。
なぜかというと、パーソナルジムが一般に認識され始めた頃で、このころは自分で開業しようと考える人は少なかったから。
ライザップが大々的にテレビCMを打ち出して、世の中に【筋トレはごつくなるのではなく、ダイエットにも有効なんだ】という認識を広め、一気にパーソナルジムの認知度が向上して、ブームが起こった。
しかし、そのビジネスモデルは、営業面積が必ずしも広くなくてもよく、しかも限られた設備だけいい。
後は、筋トレの仕方と食事指導を行う知識があれば開業できる。
そこに気付いた少数の人たちだけが営業していたのでうまくいくことができた。
そもそもパーソナルジムは儲からないビジネス?
ジムに限らずフィットネスは、競合がいなければかなり儲かるビジネス。
経費がかなり小さいので、利益が残りやすい。
経費は固定費が主で家賃、人件費、あとは広告費くらいで変動費がほとんどない。
しかも、競合がいなければ、広告費もお知らせ程度のもので簡単に集客できる。
だから、毎月の固定費以上の売上は基本的には全て利益になる。
だから、ジムというのは本来は稼ぐことができるビジネスだった。
では、競合店舗がいなければ大丈夫?
いいとは思わない。
なぜかといえば、1年後、2年後そこに競合ができる可能性が非常に高いから。
先ほどお話した通り、ジムのビジネスモデルは基本的には非常に儲けやすい。
しかも競合がいないとなれば尚更。
更に、開業してうまくいっていると聞けば、簡単に、誰でも開業できるので恐らく参入してくる可能性が高い。
だから、今競合がいなくてうまくいったとしても、いづれ必ず競合が乗り込んで次第に、しのぎの削りあいが始まる。
ジムを開業してからの道のり

私がパーソナルジムを開業したときは、結構大変だった。
なぜなら、2015年はまだ、パーソナルジムというのは地方では一般化されていなかったため。
競合が全くいないというのも実はつらい?
先ほどの話とは少し矛盾するが、競合が全くいないというのも実はつらい。
競合がいないというのは、一人勝ちしやすい環境である反面、その地域では認知されていないビジネスであるために、どんな商品、サービスなのかを認知されるまでに時間と、それを告知して浸透させるまでに結構な広告費が必要になる。
例えば、まだパーソナルジムが一般に知れ渡っていない地域では、ジム=月額8000円程度で通い放題、のような認識がされている。
そこに、パーソナルジムのような回数も制限されていて、かつ月額費用もどんなに安くても3万円~でさらにスタジオ、プールもなく狭い、となればその地域の人たちは良くわからないというのが正直な反応だ。
その地域には前例がないために、その価値観を崩して、パーソナルジムの価値に気付くまでには、時間とそれを告知する広告費がかかるのだ。
だから、全く競合がいないというのも実はつらいことなのだ。
実体験:認知されたあとの話
認知された後は、受け入れができないほどの問い合わせが殺到した。
パーソナルジムの価値を認識されると、あとは競合もいないので選択肢が私のジムしかない。
最高で、ひと月200件の申し込みがあった。(2017年)
そのころ、私がジムを構えていた市内(人口58万人)に、パーソナルジムは私を含め5店舗しかなかった。
ちなみに2020年では19店舗ある。
このように競合がいないときは、SNSで少し告知するだけでも目立って見込み客が押し寄せた。
実体験:競合が増え始めてから
もちろん、顧客獲得は簡単ではなくなってきた。
以前のようにSNSで少し告知するだけ、というのはどこの店舗でも行われてきたのでその効果というのは、次第に薄れていく。
後は、いかに費用対効果のいいもので告知していくかという集客になってきたから。
競合が増えてもいいことは、営業実績が長ければ長いほど知名度・信頼性が上がる。
これは競合の増減には関係なく完全に先行者利益。
また、新興でジムを開業したところには無い特典だ。
しかし、それだけでは集客は完全に行うことができない。
ましてや無料でできるSNSの投稿などやって当たり前だ。
毎日投稿したって効果はないが、しなければそのSNSにいる見込み客からは忘れられる。
幸い私がWEBマーケティングの知識があり、またフィットネス全体がITに弱い産業なので、そこで一気に集客することにした。
それでもやはり競合がほとんどいないときと同じようにひと月200件の問い合わせとまではいかない。
それほど、競合が増えるということは影響を及ぼす。
ジムをうまく軌道に乗せるには

こんな基本、無理ゲーの中でそれでもジムを開業してうまくいきたい人に提案が2つある。
それは出店戦略と集客戦略。
これから、ジムを開業するにはまず、出店戦略と集客戦略が必須。
また、競合が増えるといっても、戦略なく出店するまた、ジムを開業しさえすれば集客できると安易に考えている起業家も多いのでここを押さえておけば勝機は十分あるから。
パーソナルジム開業の出店戦略
出店戦略といっても、場所だけの事ではなくサービスも含めて。
まず、どのようなサービスで出店すればいいのか?
それは、競合が儲かっても自分も儲かる仕組みになるようなサービスを提供すること。
また、どのようなところに出店すればいいのか?
それは、すでにパーソナルジムが一般化しているところでかつ、目立つところだ。
私が実際行ったサービス
一般的なパーソナルジムは高額であるが、短期で終了する。
ということは、終了した後もパーソナルトレーニングを続けたい人を狙う。
一度、パーソナルジムにお金を払った人は、確実にパーソナルジムの価値に気付いて、お金を払う価値があると思っている人だ。
その中には、できれば今後もパーソナルトレーニングを受けたいという人がいる。
というより実際にめちゃくちゃいた。
しかし、毎月、毎月5万円も10万円も払い続けることはできない。
そこで出したサービスが“セミ”パーソナルトレーニングコースだ。
トレーナー1~2人に対してクライアントが1~3人。
各個にトレーニングメニュー、食事メニューを組むサービス。
費用は週2回コースで月額19,800円、週3回コースで月額24800円といったもの。
だから、競合の高額・短期のパーソナルジムに顧客を取られたにしても、終了後は“セミ”パーソナルジムに行く流れができれば、同じステージで戦わないパーソナルジムが出来上がる。
実際、私が開業した鹿児島市で起こった現象が、大手パーソナルジムが、プログラム終了後のクライアントに私の“セミ”パーソナルジムを勝手に紹介していてくれた。
こうなれば、競合が儲かれば儲かるほど、自分たちも潤う仕組みが完成だ。
しかもいいことはこれだけでない。
パーソナルジムに興味があっても、月額5~10万円払うことにハードルを感じる人はかなり多い。
そんな人は、いきなり“セミ”パーソナルジムに来てくれるのだ。
だから、はじめから“セミ”パーソナルに来るクライアント+パーソナルジム終了後に継続したいクライアントの二方向から集客できる。
ただし、デメリットは、マンションのワンルームでは狭いのである程度の広さがある物件でなければいけない。
私が開業して、売却した“セミ”パーソナルジム>>ALPHAGYM
これに興味があればぜひ下記から相談してもらいたい。
どのような場所に出店するのが良いのか?
それは、すでにパーソナルジムが認知されているところが絶対だ。
一人勝ちを狙って、全く競合がいないところに絶対に出店してはいけない。
先ほど話したように、あなたがうまくいったと聞けば、必ず後で競合が来るし、もしうまくいかなければあなたの一人負けだ。
むしろ逆で、一人勝ちしているようなところにあなたが乗り込むのだ。
しかも、一人勝ちしている所のサービスの弱点を見つけ、それを補うようなサービスを提供するいわば“後出しジャンケン”作戦だ。
先ほどのセミパーソナルジムでもいい、女性客を引き付けるようなサービス、内装などにしてもいい。
とにかく、少数で勝ちを独占してるところに、相手の弱点を補うようなサービスを引き連れて、敢えて乗り込む。
それをあなたが、される側だったらマズイと思うだろう。
だから、あなたがする側に回るのだ。
立地に関しては、駅や繁華街から少々離れてもいいから、大通り沿いは絶対。
できれば、1階。
家賃の安い路地に入れば入るほど“なんだか怪しい店”になってしまう。
ジムの集客戦略
どんなに最高品質のサービスでも、知られなければ存在しないのと同じ。
ちなみに、大通り沿いで1階に立地していただけでは、認知されない。
例えば、普段よく通る道で、建物の取り壊しが行われ更地を見た時、“あの場所、何の店があったかな?”とならないだろうか?
そのくらい普段目にしていても、はっきりとは認知はされていない。
だから、広告費というお金がかかってもアピールしなければいけない。
では、どこにクライアントになってくれそうな人がいるのか?
それは自分が何かスクール、習い事をしたいときにどのような行動をとるのか?を考えればわかるだろう。
必ず検索するはずだ。
これはジムも同じ。
つまり、検索ボックスの向こう側には、かなり積極的に探し求めている未来のクライアントがいる。
そこに自分が開業したジムを表示させる。
逆に言うと、そこに表示されないジムは未来のクライアントからすれば存在しないのと同じ。
だからしっかり自分のジムのホームページを持って、ネット広告を打とう。
ジム開業のまとめ

- 基本、今からジムを開業するのは無理ゲー
- ジムの開業自体は簡単
- だから、競合も簡単に増える
- それでもジムを開業したければ、敢えて競合がいるところに出店、むしろそのほうが良い
- そこで相手の弱点を突いたサービスを提供する
- 出店戦略、集客戦略をしっかり行えば、無理ゲーの中に勝機が見いだせる
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