BCAAって何だろう?
どんな効果があるのかな?
摂取したほうが良いのかな?
今回は、このような疑問に答えながら、BCAAを分かりやすく解説。
元・理学療法士で筋トレ歴10年、BCAAを愛飲して10年。
そしてパーソナルジムを2店舗を経営して2000人以上の筋トレや食事アドバイスに携わった経験 をもとに、筋肉作りに効果的なサプリメント情報をお伝えしよう。
BCAAとは
BCAA(Branched Chain Amino Acids 、分岐鎖アミノ酸)とは、アミノ酸の1種のバリン・ロイシン・イソロイシンの3つの集合体の事。
3つとも必須アミノ酸である。
なぜこの3つのアミノ酸が取り上げられるのかというと、筋肉の分解を防ぐ効果のあるアミノ酸であり、筋肉中のアミノ酸の50%を占めるから。
BCAAの主な役割
筋肉は絶えず、合成と分解を行っているということをご存じだろうか?
筋合成と筋分解が常に行われているからこそ、筋肉は大きくもなれば、小さくもなる。
“筋合成の量=筋分解の量”この時、筋肉量は増えも減りもしない状態だ。
“筋合成の量>筋分解の量”この時は、筋肉量は増える。
もちろん“筋合成の量<筋分解の量”となれば筋肉量は減ることになる。
だから、筋肉量を増やしたければ、筋合成を亢進させると同時に、筋分解を最小限に抑えなければならない。
この、筋分解を最小限に抑える効果が期待できるのがBCAAなのだ。
どんなに筋合成を増やしても、筋分解が亢進してしまっては筋肉量を増やすことについては非効率的になる。
だから、BCAAとは筋肉の分解を防ぐ効果の期待できる必須アミノ酸で筋トレでは非常に重要な栄養素となる。
どんな時に、筋分解が優位になるのか?
筋分解が優位になる場面は大きく2つある。
空腹時と運動時が人は筋分解が優位になる。
【空腹時】
栄養が入ってこないと脳が判断したら、まず体内に蓄積されているエネルギー源(主に、筋・肝グリコーゲン)をエネルギーにする。
しかし、それらは体内には豊富にあるわけではない。
なので、身体は筋肉をアミノ酸に分解して、そのアミノ酸を糖に変えてエネルギーにしてしまう。
脳は、空腹状態を“飢餓”と認識する。
この“飢餓”状態と認識されたときに、エネルギーを積極的に消費する筋肉は邪魔な存在と認識され、身体は積極的に筋肉を排除することになる。
【運動時】
運動時は、筋肉特にBCAAの分解が促進される。
原理は、空腹時と似たもの。
運動時は、安静時よりも急激にエネルギー消費が高まる。
もちろん、体内に備蓄されているエネルギーも消費するが、それと同時に筋肉中のBCAAを分解してエネルギー源にして体を動かす燃料にしてしまう。
空腹時と運動時どちらがより筋分解が進む?
運動時の方が筋分解の速度が速い。
空腹時は、時間をかけて徐々に筋分解に傾くのに対して、運動時は急速に筋分解に傾くからだ。
食後、次に空腹を感じるまでに数時間は要するだろう。
数時間かけて摂取した栄養素を消費するからだ。
一方、運動時は急速にエネルギー消費が高まる。
安静時との時間当たりのエネルギー消費の“差”が大きいのが運動時。
だから、ゆっくりと空腹になる過程で筋分解されるよりも、運動時で急速にエネルギー消費される環境の方が筋分解は促進されやすい。
筋分解防止だけでない!BCAAに期待される効果
直接的な効果は、筋分解の抑制だが、二次的な効果として筋合成の促進が期待される。
BCAA摂取により、すい臓のランゲルハンス島からインスリンが分泌され、これが筋合成を促進する。
BCAAに含まれている、ロイシンが重要な役割を果たす。
ロイシンの摂取がインスリンの分泌を促すので、摂取後は血中のインスリン濃度が上昇する。
そして、インシュリンが筋合成をを促してくれる。
インスリンは、栄養素特に糖が入った時に血中濃度が上昇するので、身体は“エネルギーが豊富に入っている状態”と認識して、先ほどの【空腹時】と逆に筋合成に積極的になる。
ロイシンだけ摂取していれば筋肉が付くということ?
ロイシンだけを摂取して筋肉が付くということはない。
ロイシンを摂取することで、インスリンという筋肉の合成を促すシグナルを体内に出すことができるが、このシグナルだけでは筋肉にはならないから。
インスリン自体は、身体に“栄養素が入った”というシグナルを出しているだけで、やはり筋肉自体を増やすためには、タンパク質(アミノ酸の集合体)という材料が入ってこなければいけない。
また、ロイシンのこうした役割を活かして、ロイシンに特化したHMBというサプリメントがある。
しかし、これも同様、HMBを摂取したからといって筋肉量が増えるわけではない。
あくまで、筋肉量が増えやすい体内環境を整えているということ。
どんな時にBCAAは摂取したらいいの?
運動前~運動後にかけて摂取を優先したほうがいい。
そして、少なく摂取するより多めに摂取すること
運動時により筋分解に偏るから運動前~運動後にかけて摂取したほうが良い。
そして摂取量が少ないと、やはり分解されるBCAAの量が上回り、筋肉量が減少することになる。
だからBCAAの場合は、不足気味の摂取では効果を感じないことになる。
運動時には、筋肉の中のBCAAが分解されていく。
それを見越して、分解されるであろう量を前もって運動前から摂取する。
そして分解が進行している運動中も水分補給と一緒にBCAAを摂取する。
最後は、分解された分の補給と、運動後から次の食事の時間を満たす分の補給を行う。
このように、急速にBCAAの分解が予測されるときには、このように前もって摂取し、その後も摂取するようにした方がよい。
目安の量はどのくらい?
運動前~運動後にかけてトータルBCAA10gを基準に摂取すればよい。
約10g前後摂取すると体はBCAAが入ってきたと認知しやすくなるというデータがある。
血糖が糖摂取後20分で反映されることから、運動20分前に3g、運動中に3g、運動後に3gといったように均等に時間をかけて摂取すると、BCAAによる筋分解の効果は十分に得られるだろう。
筋トレにもダイエットにも!BCAAサプリメント情報
筋肉量を増やしたいというのであれば、BCAAサプリメントの導入は非常におすすめ。
BCAAは筋合成を二次的に促進する効果はもちろん、筋分解による筋肉の喪失を防ぐという他のサプリメントにはない、しかも非常に重要な役割がある。
BCAAサプリメントは、プロテインと並ぶくらいの歴史あるサプリメント。
流行り廃りの激しいサプリメントの中で、なぜこれだけ長く筋トレする世界中の人々に愛飲されているのか?
それは、BCAAを摂取したときと、そうでないときの筋トレの効果の感じ方に違いが出るからに他ならない。
特に減量中は筋分解が優位になる。
この時、何も筋分解への解決策を打つことができなければ、体脂肪と共に筋肉も分解されることになる。
増量―減量をいくら繰り返しても筋肉量が一切増えることがない。
筋肉量を増やそうと考えたときに、筋分解への対策というのは重要になってくる。
だから、筋肉量を増やしたいと思っている方はぜひBCAAの導入を検討して、せっかく作り上げた筋肉を無駄にしないようにしてほしい。
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